「情報サービス論」のレポートの解答例です。
レポート作成の参考にご覧ください(読みやすいよう改行を少し加えています)。
2023年4月入学です。
ここに掲載のレポートを写してご自身のレポートとして提出することは、大学の教育方針に反しますのでご遠慮ください。類似レポートは再提出となるのでご留意ください。あくまでも参考としてご覧ください。
「情報サービス論」設題
大学図書館における利用指導の内容7点を挙げ、それぞれについて簡潔に述べた後、利用教育の手段についてはどうあるべきか、最近の動向にも配慮し、貴方自身の考え方を含め論じてください。
「情報サービス論」解答例
大学図書館における利用指導の内容と利用教育の手段はどうあるべきかについて述べる。
1.大学図書館における利用指導
利用指導の内容を以下に7点挙げる。
(1)大学図書館が新入生を対象として独自で行うオリエンテーションで、所要時間は短いもので10分~15分、長いものでは90分などさまざまである。
(2)実際に図書館内を案内しながら、利用の仕方や図書館サービスの種類を説明する図書館ツアーで、所要時間や内容については図書館の広さや学生数によって異なるが、視聴覚メディアを活用して事前研修をした後、館内を案内して説明を行うことが多い。
(3)OPAC(Online Public Access Catalog)検索・カード検索指導で、これは図書館のコンピュータ化に伴い、端末機を使って図書や資料の検索を行うようになったことから指導が必要となった。
(4)文献検索法(文献調査法)で、人文・社会科学系の大学を例に挙げると、1・2年生の指導は、主に一般的文献探索法が中心で、3・4年生では、ゼミや卒論に関係した主題別文献探索法を中心に展開している。
(5)コンピュータリテラシー教育で、最近のマルチメディア化やインターネット時代に入ってからは特に重要な、パソコンを使って情報機器を操作する方法や通信方法、インターネット利用法など、パソコンを上手に使用するための教育である。
(6)レポートや論文を作成するための指導で、実際にレポートや論文を作成するためのステップを順序よく説明したり、参考文献の引用の仕方や表現法などを指導する。
(7)視聴覚機器やコンピュータ機器を使っての編集指導であり、レポートや卒論等を電子媒体で提出する際に、ビデオをパソコンに取り込むための編集法やパソコン利用 上のダウンロードの仕方を指導するものである。
以上が、大学図書館における主な利用指導の内容である。
次にその利用指導、すなわち利用教育を効果的に行うために、手段はどうあるべきか、
昨今の動向を踏まえ、私自身の考えを含めて論じたい。
2.利用教育の手段はどうあるべきか
大学図書館の場合、利用教育の手段は、教員と連携をはかり組織的に目的をもって実施されるべきであると考える。
以下にその理由を述べる。
(1)利用教育の手段として、主に映像資料の利用、印刷物の利用、パソコンの利用が挙げられるが、いずれの手段もそれぞれ、映像資料の製作費、印刷費、パソコン等機器備品費の確保が必要となり、その予算を確保するには、業務が組織的、制度的に実施される必要がある。
『情報リテラシー教育の実践-すべての図書館で利用教育を-』(日本図書館協会図書館利用教育委員会編)によると、以前は「利用教育の実施を呼びかけても、現場の反応は『時間がない』『人手がない』『お金がない』の三ないコーラス」(10ページ)であったが、「それならいっそ、教える内容をビデオにパッケージ化すれば、何がなくとも利用者へ届くのでは……」(10ページ)と、図書館が業者とタッグを組み作成されたのが、『図書館の達人』シリーズである。そして、そこから各図書館の共通事項については、市販ビデオやDVDを活用し、各館が個々に費用を負担する必要がなくなったことは大変意義深い。
(2)この『図書館の達人』シリーズが進化したのが、『情報の達人』(監修:日本図書館協会、発売:紀伊国屋書店)であるが、このシリーズは『授業の目的に合わせて各教員が、ビデオ(DVD)・スライド・テキスト・ウェブ資料の4種類の資料を自由に選択的に組み合わせて使うことができる』仕様となっている。このように昨今、パソコンのパワーポイントを使ったスライド形式や、インターネット動画を活用し、ホームページ上で公開したり、大学のキャンパス内各所に備え付けられた情報機器画面に流すなど、利用教育の手段の幅はかつてないほど広がり、また多様化している。
いずれにしても、大学図書館がそれらを最大限活用するためには、やはり教員との連携は欠かすことができない。
以上のことから、大学図書館の利用教育の手段は、教員と連携をはかり組織的に明確な目的をもって実施されるべきである。
最後に、利用教育の手段を用いて上記のとおり実施することができたとしても、館員自身がそれを効果的に活用できるスキルをもっていなければ宝の持ち腐れとなる。そうしたことを踏まえ、私たちは高度情報化社会、「デジタル情報革命」時代に臆することなく、自らが積極的にその手段を活用するためのスキルを磨いていく必要があると考える。
(2034文字)
「情報サービス論」参考文献
1.『情報リテラシー教育の実践-すべての図書館で利用教育を-』(初版第1刷)
日本図書館協会図書館利用教育委員会編集
2.『大学図書館の利用者教育』(初版第1刷)
丸本郁子他著
3.『情報の達人』(第1巻、第2巻)
総合監修:社団法人日本図書館協会 企画・発行:紀伊國屋書店
4.『情報の達人』の仕様については、『情報の達人』のページ (waseda.ac.jp)より引用 2023.4.7
「情報サービス論」講評
学習・理解はよくできています。論述内容、巻末文献の活用も評価できます。
なお、巻末文献の書籍には出版年も必ず記すようにして下さい。
「情報サービス論」レポート作成談
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