【合格例】図書館情報資源概論[’23-’24]レポート 近大司書 2023年4月入学

「図書館情報資源概論」のレポートの解答例です。
レポート作成の参考にご覧ください(読みやすいよう改行を少し加えています)。
2023年4月入学です。

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目次

「図書館情報資源概論」設題

公共図書館が収集するネットワーク情報資源の種類や特徴、提供事例について述べてください。また、若い世代に対して情報資源の利用をどのように広報・PRしていくべきかあなた自身の考えを含め、論じてください。

「図書館情報資源概論」解答例

公立図書館が収集するネットワーク情報資源の種類や特徴、提供事例について述べる。また、若い世代に対して情報資源の利用をどのように広報・PRしていくべきか私見を述べる。

1.ネットワーク情報資源とは
ネットワーク情報資源とは、電子書籍や電子ジャーナル、無料・有料データベースなど、物理的媒体を伴わないものをいい、図書や雑誌、新聞などの印刷資料に対し、印刷技術を使っていないパッケージ系電子資料やマイクロ資料などと同様、非印刷資料に分類される。

2.公立図書館が収集するネットワーク情報資源の種類や特徴
(1)データベース
現在、雑誌記事や辞書・事典、新聞記事など、さまざまな有料・無料データベースが提供されている。栃木県立図書館ホームページ(※1)には、栃木県内の各公共図書館で契約しているオンラインデータベースの一覧が掲載されており、令和2年3月末時点で、5つ以上のデータベースを閲覧できる図書館は11館ある。ただし、全国的にみると、公共図書館が提供しているデータベースの種類は少ない。

(2)電子書籍の提供、電子書籍の閲覧サービス
これまで、公共図書館では、電子書籍を閲覧できるデバイスそのものの貸出や図書館内の専用端末での閲覧が主であった。近年、公共図書館における電子書籍サービスは、非来館型サービスの一つとして、ネットワークを介して電子書籍を貸出することが一般的になってきた。千代田区立図書館が千代田Web図書館として、2007年11月から電子書籍の貸出サービスを開始し、注目を集めた。間部(2023)によると、2023年1月現在、公共図書館での電子書籍提供方法は「貸出型」と「閲覧型」に分けられ、貸出型は貸出冊数と貸出期限を設けて資料提供する方法であり、閲覧型は資料ごとに同時アクセス可能なユーザー数が設定されている。(※2)

(3)音楽・音声アーカイブと配信サービス
公共図書館では、ストリーミング方式でクラシックやジャズを中心に音楽配信サービスを行う「ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)」からアクセス権を購入し、音楽配信サービスを提供している。利用者は、図書館でIDとパスワードを入手し、ナクソス・ミュージック・ライブラリーにアクセスして、期限付き(利用権限の付与という形)で自宅で聴くことができる。有効期限は約2週間と設定されている場合が多い。2020年時点では、国内約150の大学、学校、公共図書館に導入されている。(※3)

(4)電子図書館とデジタルアーカイブ
電子図書館(electronic  library)の明確な定義はないが、一般的には全文テキスト化あるいは画像処理を行ったものをコンピュータに蓄積し、インターネット上で検索と閲覧できるものをさすことが多い。一方、デジタルアーカイブは、デジタル情報の保存庫として歴史的に文献を残す使命感が強い。公共図書館では地域資料のデジタル化を進め、文化的情報資源を収集・蓄積・保存・提供している。提供の方法としては、大阪府内の豊中市立図書館と箕面市立図書館の地域情報のアーカイブ「北摂アーカイブス」のように、隣接自治体図書館と連携し、コンテンツ内容を充実させたり、上田市立上田図書館「東山道信濃国略図」のように、国からの補助金を活用するなどさまざまな工夫がされている。

(5)電子ジャーナル(オンラインジャーナル、電子雑誌)
電子ジャーナルと電子雑誌は区別して用いられ、商業雑誌などをオンライン上で読むことができる雑誌のことを電子雑誌(またはデジタル雑誌)という。近年のコミックやファッション雑誌は、紙媒体と並行して出版されているが、必ずしもその内容やボリュームが同じとは限らない。
間部(2023)によると、公共図書館における電子雑誌提供サービスはまだ始まったばかりであり、実施自治体数も少ない。

3.若い世代に対して情報資源の利用をどのように広報・PRしていくべきか
若い世代に対して情報資源の利用を広報・PRするためには、学校や地域など他の機関との連携が欠かせないと考える。たとえば、上記2.(4)で述べたデジタルアーカイブも収集のみにとどまらず、その内容(どのような資料が新しく収集されたか、どんな活用ができるかなど)を学校や博物館、文書館などの各機関へ開示、PRし、活用してもらうために積極的な働きかけを行う工夫が必要であると考える。
また、情報資源を活用してもらうための斬新な企画と、図書館のホームページやツイッターなどのSNSを活用した情報発信も必要であると考える。
神作(2019)(※4)は、公共図書館のツイートで特に反応を得ていた例として、松江市立中央図書館の「よるの図書館」を挙げている。そこでは「図書館探検」として、閉架書庫へ入り、気になる本を自由に手にとって選ぶことができたり、テーマに沿った朗読会、古書市、クイズラリーなどのプログラムが用意され、斬新な企画の一例といえる。
このように情報化社会のなかでは、必要な情報として目にとめてもらうため、図書館員が、斬新な企画と魅せる工夫を常に意識し情報を発信して広報・PRすべきであると考える。
(2100文字)

「図書館情報資源概論」参考文献

※1 栃木県立図書館ホームページ https://www.lib.pref.tochigi.lg.jp
※2 間部豊 カレントアウェアネス No.355 2023年3月20日 https://current.ndl.go.jp/ca2035
※3「図書館総合展2020」ブース『ナクソス・ジャパン株式会社』https://www.libraryfair.jp/forum/2020/f067
※4 神作聡美「デジタルネイティブに訴求する図書館PR」St. Paul’s librarian,33,126-134(2019)

「図書館情報資源概論」講評

全体的にポイントを押さえて記述できていますが、内容は一般的です。PRについては、やや抽象的ですが、具体的な事例をしめしている点を評価します。

「図書館情報資源概論」レポート作成談

「図書館情報資源概論」のレポート作成談です。

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