児童サービス論の科目終末試験では、具体的に1冊の本を挙げ、読み聞かせやブックトークを行う手順を問う問題が出ることがあるということで、その対策として作成した想定問題と解答です。
私が受けた科目終末試験では、この想定した問題に近いブックトークに関する設題が出ました。
試験では下記の解答を加筆修正して提出することができたので、準備しておいてよかったと思いました。
ここに掲載の解答を写してご自身の試験の解答として提出することは、大学の教育方針に反しますのでご遠慮ください。類似解答は不合格となるのでご留意ください。あくまでも参考としてご覧ください。
想定した問題(ブックトーク)
ブックトークとはどのような活動か、意義や目的を説明せよ。
自分が児童サービス担当の図書館員であると仮定して、小学校3・4年生の子どもたちに対して具体的に1冊の本を紹介し、ブックトークをどのように行うか述べよ。
想定した問題に対する解答(ブックトーク)
ブックトークとは、図書の利用を促進しようという目的をもって行う教育活動で、あるテーマに基づいて数冊の本を紹介していく読書技法のことである。
テーマごとに紹介した本について深い関心を持たせ、読みたいという気持ちにさせたり、図書館にはテーマごとに多様な本があることを気づかせ、図書館の利用教育に役立たせるといった意義、目的がある。
本の紹介方法としては、口頭によるもの、印刷物によるもの、ネット配信しているもの、展示によるものなど、さまざまな方法と形式があるが、このブックトークは口頭による本の紹介の代表的な読書技法である。
ブックトークの形態は2つあり、図書館のフロアや貸し出しカウンターなどで一人ひとりの子どもに本を紹介することを「インフォーマルなブックトーク」といい、あらかじめテーマを設けて本を集め、複数の子どもを対象に、それらの本を順序よく紹介するブックトークを「フォーマルなブックトーク」という。
私自身が、児童サービス担当の図書館職員として、小学校3,4年生の子どもたちに対し「フォーマルなブックトーク」を行うと仮定し、その手順を述べる。
まず、ブックトークのテーマを決める。テーマの例としては、子どもたちが興味・関心のある内容のもの、季節に関するテーマのもの、その時に話題となっているテーマ、考えを深めるテーマなどがある。なお、今回は小学校3,4年生の子どもたち向けということで、比較的単純なストーリーで理解しやすいテーマを選定することも念頭においておく。
次に、テーマに応じた本を集める。例えば、「夏」をテーマにした本であれば、物語、夏の食べ物、夏の夜空、夏休みなど、多様なテーマ、切り口で本を集める。
次に、紹介する順番を決め、順番が決まったら、紹介した本から次に紹介する本へと話がスムーズに進むようなつなぎの言葉を考える。
さらに、紹介するページの絵や文について、あらかじめページに付せんなどをつけて紹介しやすいようにしておき、紹介する時間配分も考えながら、数回リハーサルを行う。
そして、大切なことはきちんと当日のシナリオを作成しておくことである。それは、紹介者自身がテーマから脱線しすぎないようにすることと、聞き手の思考の流れを理解しながら進められるようにするためにも念入りに作成する必要がある。
今回、具体的に「白いぼうし」(作:あまんきみこ、イラスト:北田卓史)をブックトークで紹介すると仮定し、どのようにブックトークを行うかを述べる。
「白いぼうし」を紹介する際の導入として、「皆さん、夏のくだものというとなにを思いうかべますか?すいか?パイナップル?今日は、夏みかんがでてくるお話を紹介します。」といったまくらの言葉を挿入する。
シナリオに沿ってブックトークを進めるが、その際、シナリオばかりをみるのではなく、できるだけ参加者のほうを見るよう意識して話すことが大切である。
ブックトークが終了したら、おわりに「白いぼうし」の本は、図書館にあり、貸し出しができること、「白いぼうし」は「車のいろは空の色」というシリーズの1つで、空いろのタクシーに乗った心やさしい運転手、松井さんとふしぎなお客さんのお話は他にも読むことができることを伝える。
ブックトークを実施後は、反省点などを記録としてまとめ、次回のブックトークの参考資料とする。
(おわり)
試験対策として作成していたこちらの読み聞かせについてもよろしければご覧ください。