児童サービス論の科目終末試験では、具体的に1冊の本を挙げ、読み聞かせやブックトークを行う手順を問う問題が出ることがあるということで、その対策として作成した想定問題と解答です。
試験対策のために作成したもので、この問題、解答で合格したわけではありません。あくまでも参考としてご覧ください。
想定した問題(読み聞かせ)
読み聞かせの対象者、目的、役割、効果、課題について説明せよ。
読み聞かせに向く絵本を1冊取り上げ、その本を使った読み聞かせの手順について具体的に述べよ。
想定した問題に対する解答(読み聞かせ)
読み聞かせの対象は3~4歳で、読み聞かせによって本を読む楽しさを知ってもらい、本を身近に感じてもらうこと、子どもと本をつなぐことを目的とする。また、読み聞かせには、子どもと親とのつながりを深めるという重要な役割がある。さらに、親が児童サービスを利用するきっかけを提供し、子育てを支援するという役割も担っている。
読みきかせは、絵では描ききれないところを言葉で支え、見て、聞いて、子どもの感性を刺激することができる。このような感動を体験させることによって、感性を磨き、想像力を養い、より人間らしい心を育てることができる効果がある。
読み聞かせに向く絵本を1冊紹介する。
「てぶくろ」ウクライナ民話 エウゲーニー・M・ラチョフ/絵
うちだりさこ/訳
ストーリーは以下のとおりである。
おじいさんが、子犬を連れて森を歩いていくうちに、てぶくろを片方おとしていってしまう。
そこへ、ねずみがやってきて落としものの手袋に住むことにする。そのあと、かえる、うさぎ、きつね、つぎつぎと動物たちがてぶくろにやってきて・・・。
読み聞かせの手順としてまず重要なことは、その本を事前によく読みこんでおくことである。
どのようなリズム、間で読み聞かせを行うかをあらかじめ確認しておくことが大切である。
「てぶくろ」については、次々と動物たちがやってきて、てぶくろがどんどんぎゅうぎゅうづめになっていくおもしろさ、どうなるのだろうというわくわく感、盛りあがりどころをおさえ、この場面ではこのように抑揚をつけて話そう、などあらかじめ確認をしておく。
読み聞かせを始める際には、「みなさんはてぶくろを道に落としたことがありますか?このお話は・・・」とまくらのことばを入れるなど、子どもたちが自然とお話の世界に入りこめるよう工夫をする。
また、読み聞かせを始める前に、お話の途中ではおしゃべりをしないことなど約束事を伝えておく。
読み聞かせの終わりには、本のタイトルを再度紹介し、「おしまい」と伝え、「てぶくろ」の絵本は図書館にあり、貸し出しができることを伝える。
おはなし会などでは、読み聞かせをした後に紹介した本のリストなどを参加者に配布するのもよい。
課題としては、自分も試しにてぶくろを道に落としてみようかと思う子どもがあらわれるかもしれないので、みなさんは落としものはしないように気をつけましょうといった方向へ落としどころをもっていく必要がある。
(おわり)
試験対策として作成していたこちらのブックトークの解答もよろしければご覧ください。
実際の科目終末試験で役立ちました。